世界をありのままに見ていますか？

言葉は発音されても、あるいは声にならず思考にとどまっていても、ほとんど催眠術のような力を及ぼします。

言葉の前で人は簡単にわれを失い、何かに言葉を貼り付けたとたんに、まるで催眠術にかかったように、其れが何であるかを知ったと思い込みます。
ところが実際には、対象が何であるかなどわかってません
ただ、なぞにラベルを貼っただけです。
小鳥も樹木も、その辺の石ころでさえ、ましてや人間を究極的に知ることはできません。
計り知れない深さを持っているからです。
私たちが感知し、経験し、考えることができるのは現実の表層だけで、
海上に出た氷山の一角よりも小さいんです。

その表面的な見かけの奥ではすべてが全体とつながりあっているだけではなく、すべてが拠ってきた「生命の源」へとつながっているのです。
石こＲでさえ、花や小鳥ならなおさらのこと、「神」へ、「生命の源」へあなた自身へと戻る道を示すことができるのです。
相手に言葉を付与したり、頭の中でラベルを貼ったりせず、ただ手にとって、ありのままを見つめれば、驚異と畏敬の念が沸き起こるでしょう。
対象の本質が無言のうちにあなたに話しかけ、あなたの本質を照らし出すでしょう。

言葉やラベルを貼り付けないで世界をありのままに見れば、
はるか昔に人類が思考を使うのではなく、
思考に縛られたときに失った、軌跡のような畏敬の念がよみがえります。