「手放すこと」をすれば、人間関係は、深いレベルで変わってきます。
「既にそうであるもの」を受け入れない人は、人をも、ありのままに受け入れてはいません。
つまり、人に対して判断を下し、批判し、レッテルを張り、拒絶するか、自分の思い通りに相手を変えようとしてしまうのです。
また、「いま」を「目的達成のための踏み台」とみなしている人は、自分が出会う人たちをも、目的達成のための踏み台にしてしまいます。
当然の結果として、人間関係、つきつめると人間そのものが、その人にとってあまり重要でなくなります。
極端な場合には、まったく意味のないものになってしまうでしょう。
物的な利益でも、権力でも、身体的な快楽やエゴの欲求を満たすことなど人から何を獲得できるかということが、その人にとって、最大の感心になります。
人間関係において、「手放すこと」を、具体的にどのように実践すればよいか、例を挙げて説明しましょう。
たとえば、パートナーなどの身近な人と、もめごとの状態にあるとします。そんな時には、まず、自分の言い分が攻撃されたときに、いかに自分が防衛的になるか、または、相手の言い分に対して、いかに自分が攻撃的になるかを、観察してください。
自分が自分に固執している、という事実を知りましょう。
「自分は正しく、相手は間違いでなければならない」という考えの原動力になっている、感情、思考のエネルギーを感じましょう。
それが、エゴ的思考ののエネルギーです。エゴ的思考の存在をきちんと認識し、十分に感じれば、それを意識に変容できるのです。
こんな具合に自分を観察していると、口論の最中に、防衛、攻撃以外にも選択肢があることに突然気づき、感情的リアクションを止めてしまうかもしれません。
これが「手放す」ことです。
ただし、リアクションをとめるというのは、心の中で、「わたしは、子供じみた無意識を超越しているんだ」と言いながら、「そうそう、君の言うとおりだとも」と、口先だけで負けを認めることでは在りません。
これは、相変わらず抵抗がそこにあり、優越意識を持ったエゴ的思考にコントロールされている状態です。
本当に「手放す」には、エゴ的思考をすべて放棄しなければなりません。
心が驚くほど軽やかになり、深い平和に包まれているとはっきり感じられるならば、「手放すこと」の境地に到達できたしるしです。
「手放すこと」をしたあとに、相手の行動が、どんな風に変わるか、、観察して御覧なさい。
思考から解放されたとき、やっと真のコミュニケーションがはじまります。
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「超シンプルなさとり方」より
明日も引き続き、手放せば、人間関係がうまくいく・・・について書きます。
ー仁美ー
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