2011年7月26日火曜日

「手放すこと」の知恵

「手放すこと」をおこなうのは、内面だけです。
なんらかの行動をどって、状況を変えてはいけないという意味ではありません。
しかも、手放す時に受けいれなければならないのは、あらゆる状況ではなく、「いま、この瞬間」という、ごく限られた部分だけでいいのです。

たとえば、あなたがどこかで、「ぬかるみ」に、はまったとしましょう。
こんな時に、「このまま。ぬかりみにはまったままでいよう」などと言って、状況に甘んずる人はいませんね。
「手放すこと」は、「あきらめること」とは違います。
望ましくない、不愉快な人生の状況を、感受する必要はありません。
「ぬかるみにはまっていることは、悪いことではない」などと強がりを言って、自分をいつわる必要もありません。
「ぬかるみから脱け出したい」というのは、明白な事実です。
それなら、その状況にレッテルを貼らずに、意識を「いま」に集中させるのです。
「レッテルを貼る」というのは、物事に対して決めつけをすることです。
決めつけがなければ、抵抗やネガティブな感情は、一切わき上がって来ません。
「いま、この瞬間」の、「既にそうであるもの」を、すべて受けいれるのです。
そのうえで、ぬかるみから脱け出すために、できるかぎりのことをすればいいのです。
このような行動を、わたしは、ポジティブな行動と呼んでいます。
ポジティブな行動は、怒り、フラストレーションを起点にした、ネガティブな行動とは、比べ物にならないくらい効果的です。
望ましい効果を、達成できるまで、「いま」にレッテル貼りをしないで、「手放すこと」を実践し続けましょう。

みなさんに、わたしの説明していることのポイントをつかんでいただけるように。今度はイメージでお話します。

霧深い夜に、あなたはひとり、真っ暗な小道を歩いています。でも、さいわい、あなたには、霧を貫き通し、目の前の道をくっきり照らす、強力な懐中電灯があります。

おわかりでしょうか?

このなかで「霧」は、過去と未来を含めた「人生の状況」を象徴しています。
また、懐中電灯は「いまに在る」意識を、目の前のくっきりと照らされた道は「いま」を、それぞれ象徴しています。

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「超シンプルなさとり方」より

明日も引き続き「手放すこと」の知恵・・・についてかきます。

ー仁美ー



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