2011年7月27日水曜日

「手放すこと」の知恵

「すでにそうであるもの」に抵抗すると、エゴは「よろい」を強固にし、「すべては、はなればなれである」という信念を強くします。
すると、自分の周りの世界、特に他の人間が、自分の存在を脅かしているのではないか、と思えてきます。
それにともなって、気めつけをするようになり、競争心や支配欲とともに、「他者を抑圧しなければならない」という強迫観念が、無意識のうちに芽生えてきます。
自然でさえも、敵とみなすようになり、ものの考え方や解釈の仕方が、恐れの色に染まります。
被害妄想と呼ばれる心の病気も、この機能不全が、わずかに進行しただけにすぎません。

抵抗によって固くなってくるのは、心理的な「よろい」だけではありません。
物質的な「よろい」である肉体のほうも、同様にこわばってきます。
からだのあちらこちらが緊張しはじめ、全体的に収縮してしまうのです。
正常に機能するために不可欠な生命エネルギーは、自由に流れなくなりなす。
エクササイズやセラピーが、エネルギーの流れを修復するのに役立つかもしれませんが、毎日に生活の中で「手放すこと」を実践して、原因である心の抵抗を取り除かないかぎり、効果は長続きしません。

人生の状況にまったく影響されない、私たちの中にある「大いなる存在」には、「手放すこと」をしなければ、つながることはできません。
「大いなる存在」は、時間のない「いま」に永遠に存在する、わたしたちの生命です。
この生命を見つけることを、イエス(キリスト)は、「あなたに必要な、ただひとつのこと」だと表現しました。

「人生の状況」が不満足、またはとうてい我慢できないものならば、まず、手放しましょう。
手放さなければ、その状況を維持させているに他ならない、無意識な、「心の抵抗」を止めることができません。
「手放すことは」は、「行動すること」、「変化を起すこと」、「目標を達成すること」と、なんの問題もなく両立できます。ただ、「手放すこと」をしている意識は、「抵抗」している意識とは、まったく別のエネルギーを生み、まったく別の高質のものが、行動に反映されるのです。
その理由は、「手放すこと」をすると、すべての生命の源である、「大いなる存在」につながることができるからです。
「手放すこと」をすると、意識レベルが非常に高まるため、行動の質も、自動的に高められます。
それが、結果にも反映される可能性もあります。
これは、「手放すことによる行動」と呼んでもよいでしょう。

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「超シンプルなさとり方」より

明日も引き続き「手放すこと」の知恵・・・について書きます。

ー仁美ー


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