「手放すこと」の境地にある人は、どんな出来事が起こっても、自分がなにをすべきかが明確にわかり、的を絞って、ひとつずつ片付けながら、状況にとりくんでいくものです。
これは、自然から学ぶことができます。
自然界では、いかにすべてが、不満足や不孝などのネガティブな感情を一切抱くことなく、生命の奇跡を繰り広げているかを、ご自分の目で見極めてみてください。
イエスが次のように言われたのは、同じ理由でからです。
「野のユリが、どんなふうにして成長しているかを、観察しなさい。ユリはあくせく働きもしなければ、紬もしない」
人生の状況が不満足、または不愉快なら、「いま、この瞬間」に内面のネガティブ性をすべて捨て去り、「すでにそうであるもの」に身をゆだねましょう。
これが、「霧を貫きとおす懐中電灯」です。
そうすれば、外的状況によって、心が乱されることはありません。
抵抗を原動力として反応したり、行動したりはしないでしょう。
そのうえで、解決したい案件について、具体的にみていけばいいのです。
こう自問するとよいでしょう。
「この状況を変えるか、またはこの状況から脱け出すために、何かできることはないだろうか?」
もしも、それがあるならば、的確な手段をとればいいのです。
将来のある時点でしたいと思っている、またはすべきである、百のことを思いめぐらすかわりに、いますぐできる「ひとつのこと」に的を絞るのです。
ただし、これは、計画を立てるべきではないという意味ではありません。
この点を、誤解なさらないでください。
場合によっては、計画を立てることだけが、その時点でできる、唯一のことかもしれません。
その際には、脳裏のスクリーンに未来図を映し出して、「いま」を見失ってしまうことがないように、注意しましょう。
あなたのとった行動が、すぐに実を結ぶとはかぎりません。
しかし、成果がすぐに表れないからといって、「そうであるもの」に抵抗しないでください。
手立てがなく、状況から身を引くこともままならないならば、さらに手放し、さらに「いま」に在り、さらに「大いなる存在」とひとつになるために、その状況を利用しましょう。
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「超シンプルなさとり方」より
明日も「手放すこと」の知恵・・・について書きます。
ー仁美ー
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